こんにちは、L-Blendのゆういちろうです。
「動画も写真もカメラ一台で完結させよう」と決め、2021年の4月にα7SⅢを導入しました。
それまではα7Cと富士フイルムのX-T4というカメラを併用していましたが、両方を一度に持ち出すことが少ないため、一台あたりの使用率が上がらないのは勿体ないと考えるに至り、一本化を決めることにしたのです。
それから約半年が経過し、僕の手元には今、α7SⅢともう一台、古のαがあります。
一台で完結させると以前は言いましたが、あれは嘘です(苦笑
ソニーのフルサイズミラーレス一眼、古のα7Rをゲットしました。
2013年発売のこのカメラは、当たり前ですがすでに新品の生産は終わっている製品になります。(探せばまだ新品購入もできるかもしれませんが)
程度の良い中古品を購入ししばらく使用したので、今回は購入の経緯から使用感について書いていこうと思います。
α7Rってこんな製品。まずはスペックについて!
SONYα7Rは、α7と共に2013年11月に発売された「世界初のフルサイズミラーレス一眼カメラ」です。
あれから約8年が経ち、現在では4世代目の製品が発売されています。
対をなす高感度性能機のSシリーズは3世代目、無印ベーシックモデルは2021年に4世代目の発表がアナウンスされました。
他にもコンパクトシリーズのα7Cや、高速連写が得意なα9シリーズ、全部盛りのフラッグシップ機「α1」など豊富なラインナップになり、ユーザーの様々な用途を最大限カバーできるシリーズになりました。
さて、今回僕がゲットしたのはその原点といえるα7R。8年も前の機種ですから、改めてどんなスペックだったのか見ていきたいと思います。無慈悲にも最新カメラであるα7RⅣやα7SⅢと比較しながら、進化したポイントやあんまり変わっていない点などを確認していきます。
項目 | α7R | α7RⅣ | α7SⅢ |
画素数 | 有効3,640万画素 | 有効6,100万画素 | 有効1,210万画素 |
撮影感度 | 100-25600 | 100-32000 | 80-102400 |
拡張感度 | 50、51200 | 50、102400 | 40、409600 |
連写性能 | 速度優先連続撮影時:最高約5コマ/秒 | Hi+時:最高約10コマ/秒 | Hi+時:最高約10コマ/秒 |
動画性能 | FHD60p(AVCHD) | 4K30p撮影可 | 4K120p撮影可 |
手ブレ補正 | なし | 5.0段分の5軸補正 | 5.5段分の5軸光学式補正 |
液晶モニター | 3型 約92万ドット | 3型 約236万ドット | 3型 144万ドット |
モニターの可動方式 | チルト | チルト | バリアングル |
シャッタースピード | 1/8000~30秒 | 1/8000~30秒 | 1/8000~30秒 |
ファインダー | 約236万ドット | 約576万ドット | 約944万ドット |
ファインダー倍率 | 0.71倍 | 0.78倍 | 約0.9倍(最大) |
メディアスロット | シングル
SD、メモリースティックDuo等 |
デュアル
SD等 |
デュアル
SD、CF express Type A |
バッテリー | NP-FW50 | NP-FW100 | NP-FW100 |
撮影枚数(ファインダー) | 270枚 | 530枚 | 510枚 |
撮影枚数(液晶モニター) | 340枚 | 660枚 | 600枚 |
AFセンサー測距点 | 117点(コントラスト) | 567点(位相差検出) | 759点(位相差検出) |
サイズ(幅×高さ×奥行き | 126.9×94.4×48.2 | 128.9×96.4×77.5 | 128.9×96.9×80.8 |
重量(本体のみ) | 407g | 580g | 614g |
重量(バッテリー等込み) | 465g | 665g(差200g) | 699g(差234g) |
発売日 | 2013年11月 | 2021年6月 | 2020年10月 |
初値 | 約197,000円 | 約382,000円 | 約403,000円 |
※α7RⅣは2021年発売の「ILCE-7RM4A」を参考
同じSONYのカメラといっても、時代が進めば様々なポイントで進化を感じられますね。数字上だけでも、ファインダーや測距点などで差を感じます。
概ね何をやらせても現行機種に軍配が上がりそうな印象です。
α7Rにはボディ内手ブレ補正や大容量のバッテリー、デュアルスロットなど最近のトレンドが搭載されていないので、アシストがない分、撮影に気を遣わなければいけませんね。
メモ 例えば、α7Rには手ブレ補正がありません。スローシャッター時の手ブレは現行機に比べて発生率が上がります。つまりは光量の少ない環境では撮影に難があるかもしれませんので、感度を上げ気味で撮影するなど考える必要があります。
とはいえ色々なものが搭載されていない分、ボディサイズや重量がフルサイズとは思えないほどコンパクトになっています。これはとても好印象。あと値段が安いのも良き。
コンパクトガジェット大好き芸人の僕としては、とても魅力的に感じる製品ですね。
加えてなんと、α7C(バッテリー等込みで509g)よりも軽量なので(あちらはボディ内手ぶれ補正がありますが苦笑)、実はソニーで一番軽いフルサイズカメラだったりするんですよね。
では結論、スペックをみた上でα7Rとはどんなカメラなのか。
「軽量コンパクトで魅力的な安いフルサイズ!でも安いなりに色々搭載していないので、仕様上の注意をよく確認して、用法用途を理解して正しく使えば面白いカメラです」
現行機にはない、初代α7Rのメリットは以外とたくさんある!
さて、初代α7Rにはどういったメリットがあるのか。購入理由に直結する部分があるので、上述したボディサイズや重さ以外について、まとめてみました。
- とにかく安く感じた!(フルサイズミラーレスとしては破格の中古価格。6万円前後で買える
- 画素数やファインダー、液晶モニターの品質は現行機と比べてもあまり変わらないかも?
- 「キレイじゃん」と思える写真は普通に撮れる
まずはなんといっても価格が魅力的だよねって話。
高いカメラと安いカメラなら、安いカメラのほうが買いやすいですよね(当たり前)
α7Rは古い製品でもあるので、価格が群を抜いて低いのが魅力的です。
すでに(2021年時点)新品の生産は終えているので、購入するには市場にある残りわずかな新品を探すか中古品を選ぶことになりますが、僕は程度の良い中古品を見つけて6万円程度で購入しました。
最近のカメラって軒並み20万円を超えるものが多いので、6万円台で購入できるフルサイズというのはインパクトがありますね。低価格故の理由はもちろんありますが、とにかく安く買えることは懐事情にとってもありがたいこと。浮いたお金をレンズ等にお金を回すこともできるので、考え方次第ではめちゃくちゃいいお買い物かも知れません。
次に性能について。
安さ、軽さを求めたフルサイズが欲しくてα7Rにしましたが、性能面としては「高画素」も求めていました。
現在メインで使っているカメラはソニーのα7SⅢ。有効画素数1,200万画素程度なので、現在発売されているあらゆるカメラの中では「低画素」な製品と言えます。
低画素故の様々なメリット(高感度耐性の良さや上質な動画性能など)は納得をしていますが、たまに「クロップして写真を使いたい」と思うこともあるため、「たまに」を解決できる製品が欲しいなと思っていたんですよね。
有効画素数3,640万画素の写真は、当然のことながらα7SⅢよりも遙かに大きいです。細部まで描写していますので、一枚の写真をある程度ざっくりクロップしても十分な情報量が持っていますので使い勝手が良好です。
案外、現行機と性能が変わらない部分もある。
α7Rを使っていると、α7SⅢとの差をひしひしと感じてしまいます。
しかし、進化の度合いが遅いというか部分があるというか、現行機種との差がそれほどないところも多々感じられました。
- 約236万ドット 0.71倍のフィアンダー。実はα7Cよりも見やすいかも!?
- 有効3,640万画素。現行発売されている製品の中でも、今でも十分に「高画素」
ファインダー画素数はα7Cと同等ですが、倍率はα7Rの方がよいです。8年前の製品でも現行機以上のポイントがあるのは嬉しいですよね。
また画素数の多さも良いです。現行機種のあらゆる製品と比べても、3,000万を超えるα7Rは十分「高画素機」と言えます。年々高画素化は進んでいますが、今なお2,000~3,000万画素が主流だと思いますので、ある程度の高画素が欲しい場合は面白い選択肢かもしれないです。
デメリットを知る良いところばかりじゃない。安さには理由がある。
良いことばかりを上述しましたが、当然安さなりの理由もあります。僕はデメリットこそしっかりと認識して購入したので不満はないですが、知らぬまま買ってしまうと後悔するかもしれませんので、以下にまとめてみました。
第一。先ほども触れたが初代α7Rにはボディ内手ぶれ補正がない。
2世代目以降から搭載された機能になります。
購入検討をする上で、手ぶれ補正の有無は重要なポイントの一つかも知れませんね。
撮影をしていると、どうしてもシャッタースピードを落としたい場合があると思います。薄暗いシーンでの撮影(室内とか)、ISO感度を上げたくない時や、三脚を持ってきていない時があるはずです。また明るいレンズを持っていない時や、絞って撮影したい場合など、どうしてもスローシャッターになってしまうシーンはやってきます。そのときにボディ内手ぶれ補正を搭載していないカメラは、失敗写真がやや増えてしまうかもしれません。
メモ手ブレ補正があり・なしで、なにが違うのか?
例えば、手ブレをせず撮れるシャッタースピードが1/250秒だった場合、5.5段分の手ブレ補正を有したα7SⅢと、手ブレ補正を搭載していないα7Rでは、どれほどの差があるでしょうか?
段数 | 6段 | 5段 | 4段 | 基準 |
α7R | 1/4(ぶれる) | 1/8(ぶれる) | 1/15(ぶれる) | 1/250(ぶれない) |
α7SⅢ | 1/4(ぶれる) | 1/8(ぶれない) | 1/15(ぶれない) | 1/250(ぶれない) |
遅いシャッタースピード←← →→速いシャッタースピード |
α7Rはレンズ側の手ブレ補正に頼ることになるため、レンズ側にも補正機能がない場合はブレに対するケアが無い状態になります。このとき1/250では手ブレしなくても、例えば1/125の時は手ブレが発生します。
一方α7SⅢは、5.5段分の手ブレ補正があるため、同条件の場合1/8のシャッタースピードでも手ブレしない計算になりますね。
もちろんこれだけ遅いシャッタースピードにすると、手ブレではなくて被写体ブレ等別の要因が出てきそうですが、とにかく手ブレとしてはこれだけの差をカメラボディとしてアシストしてくれることになります。
この差を活かして5段分ISO感度を抑えられたり、手持ちでも絞って撮影できたりしますから、撮影の幅が少しでも広がったり、撮影そのものが容易になるかもしれません。
第二に、独特のシャッター音が結構気になりました。
現行機種と比べるととても大げさというか、なんというか…
シャッターボタンを一度だけ押しているはずなのに、シャッター幕の上下運動で2回カシャカシャ動いている音が聞こえます。
結構盛大な音がなるので、写真撮っている感じが楽しい反面、静かなところではとても目立ってしまいます。サイレント撮影モードは搭載していないため、シャッター音が目立ってしまう場所では撮影を控えた方がよいかもしれません。
そして第三のデメリット、小型のバッテリーについてです。
α7Rは「NP-FW50」というバッテリーを採用していますが、現行のフルサイズ機種は「NP-FW100」という大型のバッテリーに変更されており、撮影枚数に大きな違いが出ています。
α7R | α7SⅢ | |
バッテリー | NP-FW50 | NP-FW100 |
撮影枚数(ファインダー時) | 270枚 | 510枚 |
α7Ⅲシリーズ以降、NP-FW100に変わっているのですが、この違いは顕著に感じました。僕は普段、α7SⅢを使っていてもバッテリーの予備を持って撮影をしているので、より小さなバッテリーを搭載しているα7Rはまさに「すぐなくなるな!」と思えるほど少なく感じます。
もちろん撮影内容次第ではありますが、予備バッテリーは複数あっても困らないのかなと思いますので、購入検討を考えている方は予備も意識したほうが良いかも知れないです。
メモα7Rで採用されているバッテリー「NP-FW50」は、以下の製品でも使用されています。
- α7Ⅱ/7RⅡ/7SⅡ
- ZV-E10
- α6400/6100 など
バッテリーが同じ製品を使っているなら、電池を共有できるので良いですね。
そして最後のデメリット。
分かっていたことではありますが、最新機種と比べるとやっぱりAF能に見劣りを感じました。撮影シーンによってはかなり力不足と感じます。実際に人物撮影(妻Photo)をしていると、現行機(僕の場合α7SⅢ)との差に苦労します。瞳AFもありませんし、絞り開放気味で撮影をしているとピントの甘さが表れます。
MF重視での使用や、DMFを使ったピント調整が良いのかなと考えるようになりました。あとはある程度絞って撮るとか。
もちろん素早いAFも期待できないため、スポーツや野鳥撮影など、素早い被写体を追うことは諦めたほうがいいですね。α7Rを使うよりも、もっと得意としている製品がたくさんあります。
測距点の数・エリアなども現行機種に比べて心許ないですし、正直なところ “全然ピント合わないじゃん!!”と感じてしまうシーンもよく遭遇しました。
メモα7Rが得意・不得意
画素数を活かしたシーン、動かない被写体が得意だと思いました。
得意 ・風景 ・建物 ・植物 ・料理 ・インテリア ・小物
不得意 ・スポーツ・野鳥・鉄道・ポートレート
さて、実際撮ってみてどうなのか?
正直なところ、僕の目はザルなのでだいたいのものに対して「良い!良い!」と言ってしまいます。なのでα7Rの写真も普通に「良い!」と感じました苦笑
出かけ先で目に止まったモノ、風景を撮影する僕としては、十分にニーズに応えてくれるカメラだと感じました。確かにオートフォーカスは遅いので、妻を撮る時はワンテンポの遅れを感じたり、あとで見返すとピントが微妙だったりと苦笑いすることもありました。
ただし、光の溢れる日中での撮影であれば、ある程度ピントは合ってくれますし速度もそこそこです。AFを期待せず、またMFレンズ遊びをするならばまた違った感覚にもあると思います。なによりも高画素故の描写力が気持ちいいので、求めるポイントが明確であれば面白いカメラだと思いました。
まとめ 古い!でも十分面白いカメラ!
良いところも悪いところ多々ありますが、面白いカメラだなというのが結論です。
ボデイデザインを見ても、シャッターボタンが銀色でレトロなテイストに感じますし、現行機とは違うコンセプトでの製品作りだったのかなと妄想が捗ります。
性能は概ね低く、現行機を知る僕らは「使いにくいなー」と感じてしまうスペックですが、それも理解すれば愛らしくなりました。
ゆっくりと腰を据えて撮影する分には、十分活躍してくれる製品だと思いました。
サイズが小さいため、何気ない日常を切り取るには、よい選択肢かもしれませんね。
YouTubeはこちら!
α7RについてYouTube動画でも紹介しています。
ぜひチェックしてみてください。