富士フイルムの標準ズームレンズで悩まれている方、いらっしゃいませんか?
今回お話するテーマは「FUJIFILMのレンズ名称から考える標準ズームレンズ選びの話」です。
実はこのテーマ、以前にYouTubeで動画として扱っているんですけど、ありがたいことにたくさんの方から好評を頂きまして、たくさん再生される動画になりました。
ブログとしてもまとめたものを残そうと思い、今回は動画の内容も踏まえつつ、少しだけパワーアップさせてお送りたいと思います。
今回の記事、こんな方にオススメ!
「FUJIFILM」のXマウントレンズを対象にしたお話です。
・これからFUJIFILMのカメラを導入したいが、最初のレンズをどれにしようか迷っている方
・レンズについている〝R〟や〝OIS〟ってどういう意味なんだろうと疑問に思っている方
こんな疑問を持っている方にぴったりの内容です!
はじめに
レンズの名称がわかると、そのレンズにどんな機能が備わっていて、どんな撮影に得意なのかがわかりますね。
レンズ選びをする際に、そういった名付けのルールや記号の意味を理解しておけば、自分の撮影にあうレンズを探しやすくなりますし、購入後に後悔することもないはずです。
この記事ではレンズ名称についての解説と、現在販売しているFUJIFILMの標準ズームレンズについて、僕なりに情報をまとめたものをご紹介いたします。ここにたどり着いた方にとっては、多少なりとも情報整理の一助になるかと思います。
〝R〟〝WR〟〝OIS〟レンズの名前、初見じゃ全然わからんよ!
フジの標準ズームは2021年1月時点において下記のような物が挙げられます。
XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS【2012年11月17日発売】
XF16-55mm F2.8 R LM WR【2015年2月26日発売】
XF16-80mm F4 R OIS WR【2019年9月26日発売】
XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ【2018年3月15日発売】
XF18-135mm F3.5-5.6 R LM OIS WR【2014年7月5日発売】
※この他にもいくつかあるかと思いますが、今回はこの5本をピックアップします。
FUJIFILMはこんなにたくさんの標準ズームレンズがありますが、一つ一つ毛色の違う特色を持っているのが面白いです。
それでは、レンズの名称を一つずつ確認していきましょう。
XF 18-55mm F2.8-4 R LM OIS
まずはこのレンズを例にして、一つ一つ分解して行きたいと思います。
XF
富士フイルムレンズの名前において、頭文字的な記号ですね。XFの他にXCがあります。レンズのカメラボディとの接合部において、金属パーツを使用しているのがXFであり、プラスチックを採用しているのがXCです。XCレンズは他に比べて安価な印象がありますね。
18-55mm
この数値は焦点距離。レンズの主点とセンサーまでの距離。広い写真を撮りたいなら数値を下げたものを選び、遠くのものを大きく撮りたいなら数値を上げる感じ。
F2.8-4
レンズの焦点距離を有効口径で割った値・・・らしいけどそんなこと言われてもピンと来ないですね。簡単にいうとレンズの明るさとボケ量を示す指標です。
例えば他の設定を一切変えずに、F値の数値を徐々に低くしていくと明るくなってより大きくボケるようになります。一方数値を上げていけば暗くなりあんまりボケなくなりますね。
レンズ名称にある数値というのは、各焦点距離において一番明るく出来る値ということ。このレンズの場合は、18mmの時はF2.8まで明るくできて、55mmの時はF4までになる、ということです。
R
さて、この先のアルファベットが謎だと思う方がたくさんいると思います。僕も初めて富士フイルムのレンズを買うときは意味不明でした。
まずRってなんだよという話ですが、これは「絞りリングが付いているレンズにRが付く」とのことです。絞りリングがあると、レンズ側でF値の変更ができます。多くのレンズにRが付いているとは思いますが、例えばXF27mm f2.8っていう単焦点レンズには絞りリングが搭載されていないため、Rの標記がありません。表記のないレンズについては、ボディ側で絞り値の変更をする感じになりますね。
LM
こちらは「Linear Motor (リニアモーター)」の略みたいです。オートフォーカスをしてくれてるレンズ内のモーターのこと。LMが付いていると動作が速くて静音性優れています。動画撮影に向いてそうな奇行ですね。
OIS
最後にこれは「Optical Image Stabilizer」の略らしいです。メーカーによって名前が微妙に違ったりしますが、光学式手ブレ補正機能がついてるっていうこと。
他社製品を例にすると、ISだったりOSだったりOSSだったりしますね。ややこしい…
さて、一通りレンズの中身について以上の内容をまとめると、このレンズは次の内容が盛り込まれた性能だということがわかりますね。
・マウントに金属が使用されている。 (XF) |
・18-55mmという焦点距離のズームレンズである。 |
・焦点距離に応じて開放F値が2.8-4に変動する。 |
・絞りリングが搭載されている。 (R) |
・リニアモーターが搭載されている。 (LM) |
・光学式手ブレ補正機能が搭載されている。 (OIS) |
富士フイルムのレンズには、他にも下のような機構を備えたレンズもあります。
XF 16-55mm F2.8 R LM WR
ここで新たに出てきたのは〝WR〟という記号。
これは「Weather Resistant」の略。防塵・防滴が施されているという意味らしいです。
つまりこのレンズは
・マウントに金属が使用されている。 |
・16-55mmという焦点距離である。(先程の18-55より少しだけ広角ですね) |
・焦点距離にかかわらず開放F値が2.8であり、変動しない。 |
・絞りリングが搭載されている。 |
・リニアモーターが搭載されている。 |
・防塵・防滴が施されている。(XF18-55F2.8-4には搭載されてない機能ですね) |
・(XF18-55F2.8-4に搭載されていた光学式手ブレ補正機能がないですね) |
また、XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZの〝PZ〟はPower Zoom(電動ズーム)の略で、レンズについているレバーを左右に動かすと、広角側か望遠側に動作する仕組みになっています。SonyやPanasonic、OLYMPUSでも似たような機構のレンズがありますね。またこのレンズは安価であり軽量コンパクトというのが特徴です。
《相関表を作ってみた!》
レンズ名称 | マウント | 焦点距離 | F値 | R | LM | OIS | WR | PZ | 重量 | 新品価格 | 備考 |
XF18-55F2.8-4 | 金属 | 18-55 | 変動 | ○ | ○ | ○ | × | × | 310g | ¥57,115- | セット販売品もあり |
XF16-55F2.8 | 金属 | 16-55 | 通し | ○ | ○ | × | ○ | × | 655g | ¥113,400- | セット販売品なし |
XF16-80F4 | 金属 | 16-80 | 通し | ○ | × | ○ | ○ | × | 440g | ¥82,000- | セット販売品もあり |
XC15-45PZ | プラ | 15-45 | 変動 | × | × | ○ | × | ○ | 135g | ¥33,000- | セット販売品もあり |
XF18-135 | 金属 | 18-135 | 変動 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | 490g | ¥87,369- | セット販売品なし |
※2020年5月時点の価格.comを参照
こうして見てみると、レンズの特徴がよりわかりやすく比較できると思います。
FUJIFILMの標準ズームレンズは、似たような焦点域にも関わらず搭載されている機能が一つ一つ違っていて面白いですね。
手ブレ補正がボディ内に搭載されたカメラであれば、XF16-55F2.8が候補に挙がるかもしれませんし、軽量コンパクトを追求するなら15-45のレンズが適しているのかもしれません。旅行で使うなら焦点距離の広いXF18-135が使いやすいかもしれないですね。
撮影用途に応じて適材適所があると思いますし、本体重量や価格も購入基準の重要なポイントになりそうです。
またこの表だけではわからない「写り」も重要な判断基準になりますし、くっつけるボディとの相性もあるかと思います。
「際立ててこのレンズがオススメ!」というのは難しいですが、用途に合うレンズを選べれば、とても快適に撮影が楽しめるかもしれませんね。
ちなみに、僕自身が使っている標準ズームレンズはこれ。
XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS
僕は「軽量」かつ「安価」であり、動画撮影をメインにするので「静かで素早いAF」のレンズを探していました。
このレンズは中古市場でも溢れていて比較的安価に手に入りましたし、リニアモーターを採用していたため静音性にも優れています。
ボディとのセットで販売されていることも多いですし、最初の一本としてもいい選択だと思います。
まとめ!
さて、いかがだったでしょうか。
富士フイルムのレンズの名称から考える標準ズームレンズ選びの話、でした。
撮影者によってぴったり合うレンズは様々ですので、選ぶ際の判断基準になるのかなと思います。
ブログとしては以上となりますが、最後に動画版をご紹介します。
よければご覧くださいっ!それでは〜