こんにちは。L-Blendのゆういちろうです。
今回は僕が好んで使っているレンズの話題です。
SONYのミラーレス一眼用単焦点レンズ「Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA」について書いていこうと思います。
このレンズ、なんと言っても「小さい」ことが特徴的な製品。
「小さなガジェット」が好きな僕にとって、このレンズはとても魅力的です。
使用してしばらくが経ったので、使った上で感じた良いところや微妙なところが徐々に分かってきました。
本記事では、製品のスペックや使用感、Good/Badポイント、また僕の使用方法についてご紹介いたします。
けして新しい製品ではありませんし、既にお持ちの方も多くいらっしゃる本製品。
この記事では、2021年のEマウントレンズ選びとしてこのレンズは有用なのか、今でも買って幸せになるのかなど、僕なりに考えて書いています。
購入検討の参考になればとの思いますので、是非最後までお付き合いください。
Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZAについて
まずは本製品のスペックから。
- レンズ構成 (群-枚) 5-7
- 焦点距離(mm) 35
- 最短撮影距離 (m) 0.35
- 最大撮影倍率 (倍) 0.12
- 手ブレ補正機構 なし
- 外形寸法 最大径x長さ (mm) 61.5 x 36.5
- 質量 約 (g) 120
- 発売日 2013/11/15
冒頭でも書きましたが、このレンズの特徴はとにかく軽くて小さいことです。
なので「とりあえず付けておくレンズ」としてぴったりな印象です。
サイズとしてもSONY純正のフルサイズ対応レンズとしては最も小型にできていますし、バッグに収納した際も場所を取らないのでカメラそのものがとてもコンパクトに感じます。
一昔前のデジタル一眼レフと比べるととても軽量に楽しめるようになりましたね。
ここまでコンパクトならカバンのサイズや用途の広がりも考えられるので、撮影するハードルが下がるように感じました。
また、小型軽量以外に特徴としては、「最短撮影距離」の長さが上げられます。これはどちらかというとネガティブな印象です。
上記の表でも分かる通り、最短撮影距離は35cm。正直言ってこの距離は「長い」と感じます。
どこかの記事かYouTubeの動画で「ツァイスレンズとは元来寄れないもの」といった内容を見た記憶がありますが、確かにこのレンズは「寄れる方」ではないですね。
使っていても「もっと寄りたい!」と感じてしまうことがしばしばありますし、性能の近い製品と比べても見劣りしてしまうポイントかもしれません。
ちなみに、以下は他のツァイスロゴを持つ製品についてです。
最短撮影距離が長いレンズが多い印象ですね。類似した焦点距離のレンズと比較してみました。
- FE55mm F1.8 Z → 最短撮影距離0.5m
- 例)Canon RF50mm F1.8 STM → 最短撮影距離0.3m
- FE24-70mm F4 ZA OSS → 最短撮影距離0.4m
- 例)Nikon Nikkor Z 24-70 f/4 S → 最短撮影距離0.3m
物作りの考え方、設計思想等に違いがあるためこのようなスペックになったのかもしれません。素人が邪推しても仕方が無いですが、似たような焦点距離のレンズを例にしても差を感じてしまいますね。
「FE35mm F2.8 ZA」の話に戻しますが、この製品は軽量さとのトレードオフも加わっているのかもしれません。同社製品に「FE35mm F1.8」というレンズがありますが、こちらはスペック的にとても魅力的ですし、寄ることができますのでずいぶん使いやすそうな印象があります。
最短撮影距離は22cmですし、明るさもF1.8を有しています。小さな被写体を大きく写したいならこちらのほうが良さそうですし、ボケや明るさに対しても優位かもしれません。
まとめると「とにかく小さくて軽いレンズ」であり、「類似製品と比べても寄れない」製品ですね。
α7Sⅲに付けてみる。
α7Sⅲに装着してみました。なんとも小さく収まった印象です。
ちなみに標準ズームレンズ(SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary)と組み合わせをみるとこんな感じ。全然違いますね。
先ほどの項目では「とにかく寄れない」とお伝えしましたが、トレードオフとしてこの小ささが得られるのであれば価値があるかと思います。
- α7Sⅲ(約699g) + FE35mm F2.8 Z(約120g) = 約819g
- α7Sⅲ(約699g) + 28-70mm F2.8 DG DN(約470g) = 約1,169g
αシリーズとしては特段軽くないα7Sⅲですが、この組み合わせでも総重量は900gを下回ります。バッテリーや・SDカード等を含めた数字なので驚きですね。
ちなみにαシリーズで最も軽量なフルサイズ(手ブレ補正搭載機として)「α7c」に装着した場合は以下の通りです。
- α7c(約509g) + FE35mm F2.8 Z(約120g) = 約629g
2021年現在で新品が販売されているかはわかりませんが、初代α7はとにかく軽いようで、驚異の軽量さです。
- α7(約474g) + FE35mm F2.8 Z(約120g) = 約594g
FE35mm F2.8 Zは、このα7と同時期に発売された製品です。
当初SONYは、これくらい軽い組み合わせでフルサイズカメラを楽しもう!というコンセプトだったのでしょうか。
世界最小最軽量!みたいなうたい文句が好きなSONYらしいというか、僕はとても好感がもてます。
フラッと散歩に行く際や、とにかく手軽に遊びたいと思ったときは最適な選択肢です。
また、このレンズはフルサイズ対応の単焦点レンズですが、aps-cサイズのカメラに装着してもいいですね。
僕は現在α7Sⅲしか所有していませんが、例えばα6000シリーズのボディと組み合わせた場合、換算50mm程の標準レンズとして使用できます。
- α6400(約359g) + FE35mm F2.8 Z(約120g) = 約479g
「ポケットに入る」とまでは言えませんが、カバンのスペースも最小限に抑えて使うことができるので、持ち出し頻度が上がりそうですね。
類似製品と比べてみよう!
僕がこのレンズを購入する少し前、以下のレンズを検討対象としていました。
- FE35mm F2.8 ZA (結局買ったやつ)
- FE35mm F1.8 (多分これが一番使いやすい気がする)
- FE40mm F2.5 G (ほどほど寄れるし小さい。新しいレンズ)
- SIGMA 35mm F2 DG DN (かっこ良い!ちょっぴり重い)
- SIGMA 45mm F2.8 DG DN (好印象!でもちょっと焦点距離が長い)
まだまだレンズはありますが、検討したのは以上5つです。
「35mm近辺の焦点距離で、軽いレンズ」
を今回求める条件として探しました。
僕の用途は散歩や夫婦デートです。がっつり撮影を楽しむというよりは、日常の何気ないシーンを撮りたいという思いがありました。
妻を撮影したり訪れた名所の風景を撮れたらよいので、「バキバキの描写性能」や「とろけるほどの大きなボケ」は必要じゃないです。
撮影を主としている訳ではないので「楽に撮れること」が最重要ですし、できれば安いほうがありがたい。
なのでFE35mm F1.4 GMのような「プロも使う本気のレンズ」は完全にオーバースペックですし、予算的にも合わないので対象外としました。
では次に、僕が注目したレンズスペックについて以下の表にまとめました。
レンズ | サイズ | 最大撮影倍率 | 価格 |
FE35mm F2.8 ZA | 61.5×36.5 mm,120g | 0.12 | \65,000- |
FE35mm F1.8 | 65.6×73 mm,280g | 0.24 | \57,000- |
FE40mm F2.5 G | 68×45 mm,173g | 0.2AF、0.23MF | \71,000- |
SIGMA 35mm F2 DG DN | 70×67.4 mm,325g | 0.17 | \67,000- |
SIGMA 45mm F2.8 DG DN | 64×48.2 mm,235g | 0.25 | \53,000- |
※2021/6時点の新品価格を記載。前後はあれど大体こんな感じ。
赤字は特に優れているポイントを表しました。
FE35mm F2.8は、やはりサイズ・軽量さが際立ちますね。
大きさ重さを重視するか、F値や近接撮影性能、トータルバランスを取るかが僕の中で悩むべきポイントになりました。
結論としては、「トータルバランス」「使いやすさ」「寄れる」等を考えても、「小型軽量」が一番光ってみえたのでFE35mm F2.8 Zを購入。
他のレンズにしても幸せになれたと思いますが、使っていても納得できたので買い物としては正解だったと思います。
もしオススメするなら?
僕にとっては正解だった!と結論付けFE35mm F2.8 Zを選択しましたが、仮に誰かに勧める場合なら、正直「FE35mm F1.8」が良いと考えています。
性能はもちろん、価格を考えてもパフォーマンスが優れていますし、FE35mm F2.8よりは重たいと言えど、それは比べる相手が良くないだけで280gというのは非常にコンパクトなレンズだと思います。
僕のように「小さなガジェット大好きマン」でないのであれば、総合的に考えるとFE35mm F1.8が魅力的だと思いました。
サムヤン35mm F2.8っていうのもあるけれど??
FE35mm F2.8 Zをパクったような製品。とても似たレンズですね。
新品で4万円ほどで購入できるため、コスパとしてはこちらのほうがいいですね。
写りについても上々なレビューをいくつか見かけたので、パフォーマンスがよい製品なのかもしれません。
こちらもぜひチェックして頂ければと思います。
しかし、僕はこのレンズを選びませんでした。
理由は特にありません。
なんとなくビビッとくるところがなかっただけ苦笑
安くて評判も良いようですし、このレンズを選択してみるのも面白いかもしれませんね。
早速使ってみた!
軽いは正義です。カバンに入れても邪魔に感じません。
軽量なので首からかけても負担が少ないですね。
実際に撮ってみた写真はこんな感じ。
レンズの写りや描写性能について細かく言えるほどわかってないですが、思わず「いいな〜」と感じさせてくれる写真が撮れました。
最短撮影距離が35cmなので、テーブルフォトでは料理単品を撮ることは中々難しいです。全体の雰囲気を撮るにはいいですが、器に入っている料理を大きく撮影することはできないですね。
※正直この写真もピント合ってないです苦笑 これ以上近づくのも難しいので、あんまりテーブルフォトには向いてないのかもしれないですね。
しかし、軽量かつコンパクトなので、お散歩スナップに使うにはとても良い選択肢に感じました。
特に僕は「撮影のために出かける」ということはしないので、お買い物のついでや観光地めぐりをした際に、手軽に撮影が楽しめるのは嬉しいです。
結論
FE35mm F2.8 ZA面白い!と感じました。
寄れないことや解放F値が2.8という点など、少しばかり物足りないスペックではありますが、これ以上ない携帯性が手に入ります。
「お気軽撮影」をするアイテムとしては活躍してくれるレンズに感じました。
オススメかどうかは撮影者のニーズ次第ですが、軽量を突き詰めたい方は、良い選択肢かもしれません。
動画で見る!
FE35mm F2.8 ZAのレビュー動画です。こちらもどうぞ。